掲載済み (2026-09-05号)
131 181文字 • 1分

ログオフという行為の喪失:デジタルデザインにおける「出口」の再構築

原題: We used to log off

英語

掲載情報

2026年9月5日土曜日号 アネックス掲載

概要

インターネットが「訪問する場所」から「生活のレイヤー」へと変貌し、AIが自己との境界を溶かす中で、あえて「摩擦」や「出口」を設計することの倫理的責任を問い直す。

詳細内容

かつてインターネットはダイヤルアップ接続の切断とともに「立ち去る」ことができる場所だった。しかし現代のプロダクト設計において、離脱は「リーク(損失)」と見なされ、無限スクロールなどの手法によって「セッション(始まりと終わりのある単位)」という概念が抹消されてしまった。筆者は、この摩擦の除去がユーザーから内省の機会を奪い、「持続的・断続的な注意(Continuous Partial Attention)」という危機的状況を招いていると指摘する。 特にAIの進化は、人間とシステムの最後の境界線(シーム)を消し去ろうとしている。Mark Weiserの「穏やかなテクノロジー(Calm Technology)」や「継ぎ目のある設計(Seamful Design)」といった概念を引き合いに出し、デザイナーはエンゲージメント至上主義に抗うべきだと主張。ユーザーが「人間であること」に集中できるよう、意図的にマイクロ境界やオフランプ(出口)を再構築することが、これからのデザインの重要な責務であると結論付けている。