概要
AI主導で開発したコードを半年間運用した結果、過剰な自動コメントや抽象化は負債となり、人間による『なぜ』の記述と仕様・テストの管理こそが保守性の鍵であると判明した。
詳細内容
AIにコードの8割を書かせて開発したプロジェクトの、半年間にわたる運用の振り返り記事です。著者は「保守性は足し算では買えない」と結論づけています。
### 腐ってしまった(無駄だった)対策
1. **AIによる大量のコメント**: コードの逐語訳に過ぎず、修正時にメンテナンスされず「嘘の地図」になった。
2. **早すぎる共通化・抽象化**: AIの提案による抽象化は、予期せぬ仕様変更に柔軟に対応できず、剥がせない癒着となった。
3. **曖昧な指示での改善**: 「わかりやすく書いて」といった抽象的な指示は、見た目だけ整った実質の伴わないコードを生んだ。
### 半年後も効いていた対策
1. **「なぜ」をコメントに残す**: AIが書けない実装の意図(Why)だけを人間が記述することが命綱になった。
2. **関数の責任を小さく割り直す**: AIが生成する巨大な塊を人間が手動で細分化することで、変更時の恐怖心を抑えられた。
3. **仕様とテストを人間が握る**: 実装を何度書き直させても戻ってこられる「軸」として、仕様とテストの定義だけは人間が責任を持つべきである。
AIは放っておくと情報を「足す」方向に流れるため、人間が意識的に「引く」ことこそが、AI時代の保守性の本質であると述べています。