概要
科学論文の複雑な知識構造を扱うために「MemGraphRAG」を独自実装し、HotpotQAベンチマークで既存手法を大きく上回る90.0%の精度を達成した開発記録。
詳細内容
本記事は、AI for Scienceを加速させるべく、知識グラフを活用したRAGシステム「aira-synapse」を開発した詳細な記録です。KDD 2026の最新論文「MemGraphRAG」をTypeScriptでクリーンルーム実装し、HotpotQAベンチマークにおいて公式実装の71.6%を大幅に上回る90.0%の精度を達成しました。開発の過程で、単なるアルゴリズムの調整よりも「コーパスカバレッジの網羅性」や「グラフ専用データベース(LadybugDB)の導入」が精度と速度の向上に大きく寄与したことが示されています。また、専門用語辞書やシソーラスをPPR(Personalized PageRank)の初期ベクトルに注入する試みが、逆に精度を低下させるというAblationテストの結果など、実践的な洞察が豊富に含まれています。さらに、GiNZAを用いた日本語論文への対応や、MCPサーバー化によるClaude 3.5/Cursor等のAIエージェントへの統合についても触れられており、研究ワークフローを劇的に効率化する可能性を提示しています。