概要
実世界のPythonプロジェクトの脆弱性20件を対象とした新ベンチマーク「CVE-Bench」において、GPT-5.5などの最新モデルでも最高解決率は50%に留まり、自律的な修正には依然として大きな課題があることが示された。
詳細内容
本記事は、LLMエージェントによる実世界のセキュリティ脆弱性(CVE)修正能力を測定するための新しいベンチマーク「CVE-Bench」の開発と評価結果をまとめたものです。OpenAI(GPT-5.5, 5.4-mini/nano)とPoolside(Laguna)のモデルを対象に、PythonプロジェクトのCVE 20件を3つのプロンプト条件(アドバイザリ全文、行動説明のみ、場所特定のみ)でテストしました。
**主な結果:**
- **信頼性の欠如:** 最高性能のGPT-5.5でも全体の解決率は50%であり、最も有利な条件でも60%に止まりました。
- **統計的有意差:** OpenAIファミリーはPoolsideファミリーを有意に上回りましたが、同一ファミリー内(例:GPT-5.5対5.4-mini)では統計的な差は見られませんでした。
- **コスト効率:** GPT-5.4-miniは、GPT-5.5の25分の1のコストで同等の解決率を示しており、実務上の合理的な選択肢となります。
- **失敗パターン:** 「探索の迷走(関係ないファイルへの遷移)」、「予算切れ(トークン制限による未完)」、「不完全な修正」が共通の失敗要因として特定されました。
結論として、現在のフロンティアモデルであっても、自律的にセキュリティ脆弱性を修正させるには、依然として「複雑で困難(It's Complicated)」な状況にあることが浮き彫りになりました。