掲載済み (2026-09-26号)
245 158文字 • 1分

遺伝子操作されたチンパンジーは〈人〉になれるのか? ではAIは? その境界線を探る──『THE LINE──AIが〈ひと〉になるとき』

日本語

掲載情報

2026年9月26日土曜日号 アネックス掲載

概要

AIや遺伝子操作された動物、法人といった「人間以外の存在」に人格を認めるべきかという問いに対し、知的財産法学者の視点から歴史的・法的な境界線を探る一冊。

詳細内容

本書『THE LINE』は、急速に進化するAIや遺伝子工学がもたらす「人間と非人間の境界線」の揺らぎを、法的な観点から考察している。著者のジェームズ・ボイルは、かつての奴隷解放や「法人格」の成立過程を引き合いに出し、人格の付与がしばしば道徳的判断ではなく「社会的な利便性」によって決定されてきた歴史を指摘する。AIに人格を認める議論が企業利益に利用される懸念や、チンパンジーの法的権利を巡る裁判例、さらには『ブレードランナー』などのSF作品を通じた哲学的考察まで多岐にわたる。AI生成物が溢れる現代において、我々がどのように「人間らしさ」の線を定義し直すべきかを問う、極めて示唆に富む内容となっている。実務的な法律論とSF的な想像力を交差させ、人格とは何かという根源的な問いを再構築する一冊だ。