掲載済み (2026-09-19号)
047 237文字 • 2分

コーディングの時代は終わった:その現実を受け入れよう

原題: Coding is over. Get over it.

英語

掲載情報

2026年9月19日土曜日号 メインジャーナル掲載

概要

15年以上の経験を持つベテランエンジニアが、AIによって「コードを書く」技能がコモディティ化し、ソフトウェア開発の本質がコミュニケーションや広範な教養へとシフトした現状を論じる。

詳細内容

JPMorgan Chaseのシニアエンジニアである著者が、AIの急速な進化によって変わり果てたソフトウェア開発の現場を内省的に綴った論考です。主な論点は以下の通りです。 1. **ROIとモデルの進化**: AI導入の投資対効果(ROI)を測定するのは困難だが、小規模で安価なモデル(GPT 5.6 Luna等)の台頭により、推論コストはいずれ無視できるほど低下し、自動化が全領域に波及すると予測しています。 2. **職人的技能の喪失**: 著者は自身を「平均以上のコーダー」と自負しつつも、現在はAIの方が速く正確にコードを書くという現実を認め、職人としての「喪失感」を吐露しています。コードを手で書くことが経済的に見合わない時代になり、学習のプロセスも変化しています。 3. **働き方の変容**: 以前は一つの問題に深く潜る「逐次的深掘り」が可能でしたが、現在は複数のAIスレッドを並列で管理する働き方が求められ、それがエンジニアに新たな精神的疲労をもたらしていると指摘します。 4. **これからのエンジニア像**: 「ソフトウェア開発=コーディング」ではないことが明確になり、今後は視点を明確に伝え、人々を導く能力、そして哲学や歴史を含む広範な教養を持つことが、スキルの平準化された世界で生き残る鍵になると強調しています。