掲載済み (2026-09-19号)
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AIが数学の難問を解決していいのか

日本語

掲載情報

2026年9月19日土曜日号 アネックス掲載

概要

AIによる数学の難問解決が、単なる「答えの提示」に留まり数学的発展の「芽」を摘むリスクと、一方で人間の理解を助ける可能性について論じた考察。

詳細内容

小説家の柞刈湯葉氏による、AIと数学的探究のあり方を問うエッセイ。フィールズ賞受賞者らがAIによる難問解決に難色を示した背景には、「未解決問題は解く過程で生まれる新手法にこそ価値がある」という数学特有の性質がある。著者はこれを、対数の発明(概念の誕生)とコンピュータによる力技の計算(単なる結果)の対比で説明し、AIが「秩序ある世界の理解」を「無機質なデータの山」に変えてしまうリスクを指摘する。一方で、AIが提示した解を人間が再定義する「ガロア的展開」や、不可能な証明に人生を浪費するリスクの回避といったメリットにも言及。AIを「導き手ではない大人」と定義し、人間が自らをどう教育していくべきかという、知性の教育方針に関する根源的な問いを投げかけている。