掲載済み (2026-06-20号)
061 247文字 • 2分

AIが機能するかどうかは重要ではない

原題: It doesn’t matter if it works

英語

掲載情報

2026年6月20日土曜日号 アネックス掲載

概要

生成AIの実効性に関わらず、その普及は労働者の脱技能化や交渉力低下を招く資本家側の戦略的な脅威であると説く論評。

詳細内容

### AIの有効性という「罠」 AI(LLM)が特定のタスクにおいて実際に役立つかどうかという議論は、労働の観点から見れば二次的な問題に過ぎません。著者のHenry氏は、AIが技術的に成功しても失敗しても、その展開は労働者に対する組織的な脅威になると主張しています。 ### 二つのシナリオと帰結 1. **AIが機能する場合(脱技能化)**: 産業革命と同様、高度な職人技や専門知識が細分化された単純作業に置き換えられる「脱技能化(De-skilling)」が進行します。これにより労働者の代替可能性が高まり、管理職側の権力が強化され、賃金と雇用安定性が損なわれます。 2. **AIが機能しない場合(レイオフの口実)**: AIは不適切な経営や人員削減を正当化するための「魔法の口実」として機能します。労働市場に失業者が溢れることで、企業はより低い賃金と劣悪な条件で労働者を再雇用できる「雇い主優位」の状況を作り出します。 ### 労働者の連帯 AIは、かつてのオフショアリング(海外移転)と同様、労働市場を弱体化させるツールとして利用されています。重要なのは、AIの性能に一喜一憂することではなく、その導入によって誰が利益を得るかを問うことです。技術の成否に関わらず、労働者は自身の権利を守るために団結し、労働組合などを通じて対抗していく必要があります。