概要
AIベンダーが喧伝する「AI生成コードの比率」は、かつての「コード行数」と同様の虚栄の指標であり、真のアウトカム(成果)を反映していないと鋭く批判している。
詳細内容
### 現代の「コード行数」信仰
かつてソフトウェア業界では「コード行数(LOC)」で生産性を測る愚かさを学び、決別したはずだった。しかし現在、GoogleやAnthropicなどのAIベンダーは「コードの75〜80%がAI製」「出荷コード量が8倍」といった、かつてのLOCと本質的に変わらない「ボリューム」の指標を再び掲げ始めている。これは成果を証明するものではなく、単なる採用率の誇示に過ぎない。
### 測定不能な生産性と負の側面
初期のGitHubによる「55%の高速化」という主張は具体的だったが、近年の調査(METRやNBERなど)では、AIによる生産性向上は組織レベルで10%程度にとどまる一方、コードの理解力低下(-17%)やコードチャーンの増加といった副作用も報告されている。METRに至っては「開発者がAIなしでの作業を拒むため、もはや正確な測定は不可能」という立場を取るなど、定量化の限界が露呈している。
### 人員削減の「口実」としてのAI
BlockやAtlassianによる大規模な人員削減において、AIによる効率化が「論理的な根拠」として使われているが、著者はこれを「決定済みの決断にリップスティックを塗っただけ」と批判する。AIを道具として使うことは不可欠だが、評価においてはDORAメトリクスや顧客価値といった、バトルテスト済みの成果指標(アウトカム)に基づき判断すべきであると結論づけている。