概要
外部ニュース等のイベントからKnowledge Graphを用いて、直接言及のないプロジェクトへの二次的な波及リスクを継続的に評価・更新する自律型エージェントの試作報告。
詳細内容
LayerXによる、外部環境の変化をリアルタイムで監視し、管理対象アセット(プロジェクトや案件)への影響を動的に再評価する「ambient agent」の試作に関する解説記事です。
### 背景と課題
大規模組織におけるアセット管理では、ニュースや法改正などの外部イベントがきっかけでリスクや優先順位が変動します。特に「タンカー被害のニュースが個別の内陸インフラ案件にどう響くか」といった、直接的なキーワード一致では見えにくい「二次的な波及影響」を検知することが人間にとっても困難な課題となっていました。
### 技術的アプローチ
1. **Knowledge Graph (KG) の構築**: World Bankの公開文書をソースに、Neo4jとLLMを用いてプロジェクト、組織、場所、課題などの関係性をグラフ化。
2. **イベントフックと探索**: GDELTのリアルタイムイベントデータを起点に、KG上で関連するプロジェクトへのパスを探索。
3. **リスク評価の更新**: ニュース本文、KG上のパス、既存リスク情報をLLMに与え、リスクの確率や影響度を自動で更新し、ダッシュボードへ反映する仕組みを実装しました。
### 実証結果と今後の展望
プロトタイプでは「妥当な検知」よりも「変化なし」や「誤検知」が多い結果となりましたが、KGを用いることで判断の根拠(説明性)が向上する可能性が示唆されました。今後はノードのハブ化問題の解消や、外部情報を動的に取り込んだKGの拡張など、精度の改善に向けた検証を継続するとしています。