概要
ハーネスエンジニアリングの多義的な定義を整理し、開発ツール側の「エージェントハーネス」と利用者側の「ユーザーハーネス」の階層構造と設計の要諦を解説した記事。
詳細内容
昨今話題となっている「ハーネスエンジニアリング」という言葉の定義の曖昧さを解消するための考察記事です。著者は、ハーネスを大きく2つのレイヤーに分類しています。一つはClaude Code等のツール自体が内包する「エージェント(ビルダー)ハーネス」で、オーケストレーションや制御ループを担います。もう一つは利用者が構築する「ユーザーハーネス」で、CLAUDE.mdやSkills、Hooksなどが該当します。
記事では、単にルールファイルを整備するだけでなく、linterやテストといった「計算的センサー」によるフィードバックや、検証ループ(Verification Loops)を組み込む重要性が説かれています。また、Martin Fowlerのサイト等で提唱されるサイバネティクス的制御(フィードフォワードとフィードバック)の観点から、推論に頼るガイド(Skills等)と決定論的な事後チェックの組み合わせがハーネスの信頼性を高めると指摘しています。最終的には、定義の固執よりも「AIエージェントが自律的に動きやすい環境をどう整えるか」という実務的な視点が重要であると結論付けています。