概要
Claude Desktop(macOS)が`com.anthropic.claude_browser_extension.json`という事前認可マニフェストをChromium系ブラウザ未インストール環境にも書き込み、後にインストールされる任意のChromium系ブラウザがClaude拡張等3つのIDに対しNative Messagingブリッジ経由のローカル権限を自動付与する状態になることが判明した。
詳細内容
セキュリティ研究者Alexander Hanff氏が発見し、Noah Kenney氏が独立にレビューしたところ、Anthropic製のClaude Desktop for macOSが、`com.anthropic.claude_browser_extension.json`という名のNative Messagingマニフェストをインストールしていることが明らかになりました。このマニフェストは「Claude for Chrome」を含む3つのChromium拡張IDを事前認可しており、**対象ブラウザが現時点で未インストールでも書き込まれる**ため、後にChromium系ブラウザを追加した際に拡張が自動的にローカルバイナリと通信可能となります。
### 技術的リスク
Native Messagingは、ブラウザ拡張とローカル実行ファイル間のブリッジを定義する仕組みで、**OSレベルのユーザー権限で動作しブラウザサンドボックスをバイパス**します。マニフェストが事前配置された状態では、拡張はローカルバイナリとメッセージを交換し、ページ内容の読み取り・フォーム自動入力・画面キャプチャ・認証済みセッションの利用といった操作が、追加のユーザー同意なしに可能となります。Anthropic自身が公表しているプロンプトインジェクション脆弱性率(緩和策なし23.6%、現行緩和策あり11.2%)を踏まえると、インジェクション成功時に拡張経由でローカルブリッジへピボットされるリスクは無視できません。
### プライバシー法上の論点
Hanff氏はEU ePrivacy指令第5条3項(端末への情報の保存・アクセスにはユーザーの明示同意が必要)違反の可能性を指摘しています。Kenney氏は、事前認可済みブリッジが**永続的でユーザーが発見・除去しづらい**ことを問題視しており、ブラウザベース攻撃の脅威モデルを拡大させると評価しています。
### 推奨される緩和策
- `~/Library` および `/Library` 配下の予期しないNative Messagingマニフェストを点検・削除する
- インストール済みブラウザ拡張を監査し、未知の拡張IDをブロックまたは明示的フローでのみ再認可する
- ローカルメッセージを受け付けるプロセスを監視し、OSレベルの最小権限ポリシーを適用する
EUでの規制当局による精査、Anthropicからのセキュリティアドバイザリーや修正、Native Messagingを利用する他のデスクトップAI連携ツールへの監査拡大が予想されます。