掲載済み (2026-03-21号)
#202 131文字 • 1分

AI時代の福祉国家と移民——「労働力としての人間」が不要になるとき

日本語

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概要

AIによる産業構造の根本的な再設計が、福祉国家の維持に不可欠だった「移民=労働力」という前提を崩し、社会の境界線を再定義する政治的課題を突きつける。

詳細内容

高度福祉国家は「労働と納税」の循環を正当性の根拠とし、移民はその労働力不足を補う存在として受容されてきた。しかしAIと自動化の進展は、単なる作業の代替ではなく、介護施設の工業化や建設のモジュール化など、人間の労働を大量に必要とする工程そのものを設計段階から排除する産業構造の変革をもたらす。この「労働力需要の消滅」により、移民を受け入れる経済的論理が失われるとき、福祉国家はAIの利益を広く分かち合う「開放型」か、受益権を国民に限定する「閉鎖型」かの二択に直面する。技術論を超えた、労働に代わる新しい社会参加の原理と、変革の過渡期における政治的想像力が問われている。