掲載済み (2025-12-20号)
#058 665文字 • 4分

## AIエージェントがSaaSを侵食し始める

原題: AI agents are starting to eat SaaS

英語

掲載情報

概要

https://martinalderson.com/posts/ai-agents-are-starting-to-eat-saas/

詳細内容

## AIエージェントがSaaSを侵食し始める https://martinalderson.com/posts/ai-agents-are-starting-to-eat-saas/ **Original Title**: AI agents are starting to eat SaaS AIエージェントはSaaS市場を根底から覆し、ソフトウェアの「ビルドvsバイ」の判断基準を再構築すると著者は予測している。 **Content Type**: 💭 Opinion & Commentary **Language**: en **Scores**: Signal:4/5 | Depth:3/5 | Unique:4/5 | Practical:4/5 | Anti-Hype:4/5 **Main Journal**: 76/100 | **Annex Potential**: 76/100 | **Overall**: 76/100 **Topics**: [[AIエージェント, SaaS, ビルドvsバイ, 開発ワークフロー, 内部ツール]] ソフトウェアが世界を席巻した15年間を経て、AIエージェントが今度はSaaS市場を侵食し始めていると著者は指摘する。これまでSaaSツールに依存していた多くのタスクが、AIエージェントによって数分で、しかも顧客の要望通りに解決できるようになり、「ビルドvsバイ」の判断基準が劇的に変化しているという。 著者が観察する主要な変化は以下の通りである。まず、単純なSaaSツールへの需要が蒸発し始めている。例えば、内部ダッシュボードの構築や動画の再エンコードといったタスクも、Retoolや専門サービスを使う代わりに、エージェントを使って簡単に自作できるようになっている。また、Gemini 3が数分で高品質なUI/UXモックアップを生成したり、Claude CodeがMarkdownからデザインされたPDFを作成したりするなど、純粋なソフトウェア開発以外のタスクでもエージェントの活用が進んでいる。 次に、企業が大手SaaSベンダーからの更新見積もり、特に二桁台の価格上昇に対して、「本当にこの支払いを続ける必要があるのか、自社で構築できないか」と真剣に問い始める傾向が見られる。以前は非現実的だったこの問いが、今では具体的な選択肢として検討されている。SaaS製品に多く含まれる不要な機能の管理コストが、自社で構築すれば発生しない点も大きい。 「誰がこれらのアプリを保守するのか」という主要な反論に対して、著者は、SaaS自体も保守の問題を抱えていること、そしてエージェントが保守コストを劇的に削減できると反論する。特に、非推奨ライブラリの更新などはエージェントによって大幅に簡素化される。さらに、エージェントは人間のように退職しないため、社内ツールの知識喪失リスクも軽減されると主張する。 SaaS企業の経済的問題として、新規顧客需要の減少と、より深刻な「正味収益維持率(NRR)」の低下を挙げる。顧客は、より高価な上位ティアへの移行を避けるため、ソリューションの一部を自社構築・修正された内部プラットフォームへ移行したり、APIを通じてデータを活用し、ユーザーライセンスを大幅に削減したりする可能性がある。 しかし、SaaSが依然として優位性を保つ分野も存在する。高可用性やSLAが求められる決済処理などのコアインフラ、大規模なデータセットやトランザクションを扱う高ボリュームシステム、Slackのような強力なネットワーク効果を持つコラボレーションツール、豊富な統合エコシステム、そして独自のデータセットや規制・コンプライアンス要件を持つSaaSは、今後も競争力を維持すると著者は見ている。 最もリスクが高いのは、CRUDロジックや顧客データ上のシンプルなダッシュボード・分析ツールを提供するバックオフィスツールであり、これらは顧客の不満を生みやすく、エージェントによって最も容易に代替される可能性がある。SaaSが完全に消滅することはないものの、明確な差別化要因や独自知識を持たない多くのSaaS製品にとって、今後の市場はより厳しくなると結論付けている。