概要
https://nowokay.hatenablog.com/entry/2025/12/12/063351
詳細内容
## LLMにやさしい言語SuiはLLMにやさしくなさそう
https://nowokay.hatenablog.com/entry/2025/12/12/063351
著者は、LLMにやさしいと謳われる新言語Suiが、実際のLLMの特性や既存言語の進化を考慮すると、むしろLLMにとって扱いにくいと批判的に分析する。
**Content Type**: Opinion & Commentary
**Language**: ja
**Scores**: Signal:4/5 | Depth:4/5 | Unique:5/5 | Practical:4/5 | Anti-Hype:5/5
**Main Journal**: 90/100 | **Annex Potential**: 92/100 | **Overall**: 88/100
**Topics**: [[LLMプログラミング言語, トークン化, リーダブルコード, AIコード生成, プログラミング言語設計]]
著者は、LLMにやさしい言語として話題のSuiについて、そのコンセプトに疑問を呈し、実際のLLMの挙動を考慮すると、むしろLLMにとって扱いにくい言語であると批判的に分析しています。
Suiが命令を1文字の記号にすることでトークンの節約になると主張する点に対し、筆者は既存のプログラミング言語では頻出するキーワードの多くがすでに1トークンとして扱われており、LLMは人間が見るような文字単位ではなく、意味のまとまりでトークン化していると指摘します。むしろSuiのような細粒度の命令では、複雑な処理を書く際に命令数が増え、結果としてトークン数も増加する可能性が高いと論じています。例えば、一般的な数式が18トークンであるのに対し、Suiの同等コードはトークン数が多くなると筆者は示します。
また、LLMがコードを生成する際に、Suiのような低レベルな言語ではコメントや仮コードを通じてセマンティクス(意味)を記述する必要があり、これは高級言語で変数名や関数名を使って意味を表現するのと変わらないと著者は主張します。LLMは自然言語に近い高級言語の方が思考プロセス(Thinking)において扱いやすい傾向にあり、細粒度の命令ではかえって冗長な思考を要すると考えられます。
さらに、細粒度な命令は似た命令列の繰り返しを多く生み出すため、LLMが不要な処理を繰り返したり、無限ループに陥ったりする可能性を高めると筆者は警鐘を鳴らします。また、「v0」や「v1」といった汎用的な変数名は、LLMがその役割を記憶し続けることを困難にし、長いコードではエラーの原因となりやすいと指摘します。LLMが実際にコードを読む際に変数名を参考にしているという論文にも言及し、より人間にとって読みやすい、記述的な変数名がLLMにとっても有利であると述べています。
筆者は、プログラミング言語が70年かけて論理の記述と記述の容易さのバランスをとってきた結果、型システムや自然言語に近いキーワードを持つ高級言語が発展してきたと強調します。これらの言語は、人間が間違いを減らし、論理を的確に表現するために最適化されており、LLMにとっても既存の膨大な学習データ(WikipediaやPythonコードなど)からの知識転移を考えると、むしろ既存の高級言語の方が扱いやすいと結論づけています。真に「LLMにやさしい」とは、高性能なLLMだけでなく、よりサイズが小さく性能の低いLLMでも扱いやすいことを意味すべきだと提言しています。