次号掲載予定 (2025-09-27号)
#097 422文字 • 3分

How are developers using AI? Inside our 2025 DORA report

概要

2025年のDORAレポートは、開発者のAI採用率が90%に達し生産性を向上させている一方で、その潜在能力を最大限に引き出すには組織文化、プロセス、システム全体の変革が不可欠であることを明らかにしています。

詳細内容

Googleの2025年DORAレポートは、ソフトウェア開発におけるAIの驚異的な普及とその影響を詳述しています。調査によると、開発者の90%がAIを日常業務に導入しており、これは前年比14%増に相当します。彼らは平均して1日2時間をAI活用に費やし、回答者の80%が生産性の向上、59%がコード品質の改善を実感しています。 しかし、このレポートは「信頼のパラドックス」も指摘しています。AIの有用性は広く認められているものの、回答者の約30%はAIを「ほとんど、あるいは全く信頼していない」と答えています。これは、AIが人間の判断を完全に代替するのではなく、生産性と効率を高める補助ツールとして組み込まれている現状を示唆しています。 AIは組織にとって「鏡と増幅器」として機能し、団結力のあるチームでは効率を加速させる一方で、断片化した組織では既存の弱点を浮き彫りにします。AI導入はソフトウェアデリバリースループットの向上に繋がることが判明しましたが、最終的なソフトウェアの品質保証は依然として課題です。 レポートでは、AI導入成功のための7つのチームタイプと、AIの影響を最大化するための7つの本質的な能力を特定した「DORA AI能力モデル」を新たに提示しています。ウェブアプリケーションエンジニアにとって重要なのは、AIの導入自体が成功を保証するものではないという点です。AIの真の可能性を引き出すためには、組織文化、開発プロセス、そしてシステム全体を、この新しい開発時代に合わせて進化させる深い変革が不可欠であると、本レポートは強調しています。これは、AIツールを単に使うだけでなく、いかにチームや組織が適応し、変革していくかが問われていることを示唆しています。