次号掲載予定 (2025-09-27号)
#087 453文字 • 3分

AIクローラー制御で報道機関を保護するProject Galileo

概要

Cloudflareは、Project Galileoを通じて報道機関に対し、AIクローラーによるコンテンツ利用を監視・制御できるボット管理およびAIクロール制御サービスを無償提供すると発表した。

詳細内容

Cloudflareは、「Project Galileo」参加者であるジャーナリストや報道機関に対し、ボット管理およびAIクロール制御サービスを無料で提供すると発表しました。これは、AIモデルがウェブ上の情報取得源として台頭する中で、ニュースサイトへの直接的なトラフィックが減少し、広告や購読収入に依存する報道機関の存続を脅かしている現状に対する重要な対策です。 記事は、OpenAIやAnthropicのようなAIモデルがウェブトラフィックの経路を劇的に変化させ、ニュースサイトへの流入が従来のGoogle検索と比較して数百倍から数万倍も困難になっていることを指摘しています。Financial TimesのCEOも、AIが原因で検索エンジンからのトラフィックが25~30%減少したと述べており、特に地方のニュースは深刻な財政難に直面しています。 この新サービス「AI Crawl Control」は、ウェブサイト運営者がAIクローラー(AI検索、AIスクレイパーなど)の種類やアクセス元(Google、OpenAI、Anthropicなど)、アクセスしているコンテンツを特定し、きめ細かく制御することを可能にします。これにより、AIクローラーを全面的にブロックしたり、一部のみを許可したり、特定のAI企業にコンテンツへの独占アクセスを交渉・販売したりといった戦略的な判断が可能になります。 ウェブアプリケーションエンジニアにとって、この発表は「AI時代におけるウェブコンテンツの保護と収益化」という新たな課題を示唆します。単なる悪意あるボット対策を超え、AIエージェントの振る舞いを詳細に分析し、コンテンツへのアクセスをインテリジェントに制御する技術の重要性が増しています。自身のサービスがAIによってどのように利用され、それがビジネスモデルにどう影響するかを深く理解し、適切な対策を講じるための具体的なツールと指針を提供する点で、極めて実用的で示唆に富む内容です。