次号掲載予定 (2025-09-27号)
#056 447文字 • 3分

仕様書がコードを生む時代:話題のSDDを試してみた

概要

本記事は、仕様駆動開発(SDD)ツールであるKiro、GitHub Spec Kit、spec-workflow-mcp、cc-sddの主要4種を詳細に比較検証し、それぞれの特徴と最適な適用シーンを提示することで、エンジニアのAI活用開発への導入を促進する。

詳細内容

「仕様書がコードを生む時代:話題のSDDを試してみた」は、仕様駆動開発(Spec-Driven Development; SDD)のコンセプトと、その実践を支援する主要なAI統合開発ツール4種(AWS Kiro、GitHub Spec Kit、spec-workflow-mcp、cc-sdd)を詳細に比較検証しています。本記事は、ウェブアプリケーションエンジニアがAIを活用した開発に移行する上で、「何を作るか」を明確にし、「どう作るか」を一貫させることの重要性を強調しています。 各ツールの検証を通じ、SDDがチーム開発にもたらす価値が浮き彫りになります。KiroはAgent Hooksによる自動化とAgent SteeringによるAIの指示順守で、大規模開発におけるコード一貫性を高めます。GitHub Spec Kitは、`/specify`、`/plan`、`/tasks`コマンドに加え、`/constitution`でセマンティックバージョニング対応のプロジェクトガバナンスを確立し、スタートアップや小規模チームでの迅速なプロトタイピングと体系的な仕様管理に貢献します。spec-workflow-mcpは、厳格な承認フローとダッシュボードによる可視化を提供し、要件定義から実装までの各フェーズで品質保証と透明性を確保、ミッションクリティカルなシステム開発に適します。国産オープンソースのcc-sddは、既存IDEとのシームレスな統合、Project Memoryによる文脈保持、優れた日本語対応により、日本の開発現場に即した柔軟なSDD実装を可能にします。 これらのツールを活用することで、仕様の明文化によるコミュニケーションコスト削減、早期品質確保、ドキュメントの自動生成と保守、そしてAIとの効果的な協業が実現されます。一方、ツールの成熟度や組織文化の変革、AIへの過度な依存といった課題も提示されており、バランスの取れた導入が求められます。SDDは、AI技術と組み合わせることで、ソフトウェア開発における本質的な課題解決への新たな道筋を示すものです。