概要
Ubieは、初期MVPの失敗を経て、ユーザーの具体的な行動から着想を得て医療AIパートナーを再構築した開発の舞台裏を明かし、汎用AIにはない信頼性・実用性・個別性を持つ「生涯の健康パートナー」としての価値とプロダクト開発の教訓を提示する。
詳細内容
Ubieのプロダクトマネージャーが、医療AIパートナー「ユビー」の開発における泥臭い裏話を明かします。日本人の7割が経験する「医療迷子」解消を目指し、初期MVPでは慢性疾患ユーザーのコンディション記録機能を開発しましたが、ユーザーの現状行動を理解せず開発側の都合で作られたため、見事に失敗。
転機は、自身の体調管理を「彼氏」にサポートしてもらっていた一人のユーザーとの出会いです。彼氏が状況を記憶し、適切なタイミングで行動を促し、経験に基づいたアドバイスで心の浮き沈みに寄り添う「パートナー」であったことに着想を得て、Ubieチームは翌日にはプロトタイプを作成。不安な時にいつでも話を聞き、過去の健康状態を記憶し、具体的な次の一歩を共に考える「生涯寄り添う医療AIパートナー」へと再構築しました。
この専門特化型AIは汎用AIと一線を画します。Ubieの強みは三つ。第一に、医師監修のもと医学的適切さを追求した「信頼性」と、1800の医療機関連携による医療行動伴走。第二に、オンライン診療予約や市販薬購入支援など、具体的な「医療への解決策」に繋げる「実用性」。そして第三に、PHR(生涯の健康記録)に基づいた「個別性」です。マイナンバーポータル連携や日々の対話から得られる健康データを蓄積し、一人ひとりに最適化された医療体験を提供します。
この開発から得られた教訓は、Webアプリケーションエンジニアにとって示唆に富みます。ユーザーが「今」行っている行動に注目し、それを技術で「10倍便利」にすること。そして、「あったら嬉しいかも」という曖昧なフィードバックではなく、ユーザーが心から「Wow!」と驚き、目を輝かせる瞬間を追求することの重要性を強調しています。単なる優しいAIではなく、「共感」と「医学的適切さ」を両立するAIの追求は、今後のAIプロダクト開発における重要な指針となります。