次号掲載予定 (2025-09-27号)
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GPT‑5 Codexがリリース

概要

OpenAIがリリースしたGPT-5 Codexは、大規模リファクタリングとコードレビューの精度を大幅に向上させ、エージェント型コーディングにおける最有力ツールとしての実用性を示しました。

詳細内容

OpenAIは、既存のGPT-5をエージェントのコーディング能力に特化して強化した「GPT-5 Codex」をリリースしました。この新モデルは、大規模なコードベースの理解と編集能力が向上し、複数ファイルにまたがるリファクタリングでGPT-5単体より高い正解率(33.9%から51.3%へ)を達成。これは、Giteaのような実在のOSSにおける複雑な変更もエージェントがより高い精度で再現できることを意味します。さらに、コードレビューの精度も大幅に改善され、誤った指摘が減少(13.7%から4.4%へ)、重要な指摘の割合が増加(39.4%から52.4%へ)しました。これは、実務におけるコード品質向上と開発効率化に直結する重要な進歩です。 筆者のベンチマーク「ts-bench」を用いた検証では、Codex CLIと組み合わせたGPT-5 Codexは、Claude Code+Opus 4.1では見落とされがちな潜在的な論理的誤差を指摘するなど、より詳細で深いレビューを提供できることが示されました。最高品質のコーディングを目指すなら、現状ではGPT-5 Codexが最有力な選択肢となり、Claude Codeの代替となり得ます。しかし、推論量の増加に伴い実行時間が延びる傾向も確認されており、特にタイムアウト設定(例:300秒)に達するケースが見られました。プロンプトで「300秒以内に完了」と指示することで実行時間を短縮できる一方で、短いフィードバックループを最優先する場合は、`reasoning_effort`設定の調整や、より軽量なGPT-5 Mini系列モデルへの切り替えが有効です。 また、Codex Cloudでのタスク実行には、OpenAIが謳う「7時間以上」とは異なり、著者のChatGPT Plusアカウントでは8分程度で中断されるなど、契約プランや実行条件による内部制約の存在が推測されています。Webアプリケーションエンジニアは、これらのトレードオフを理解し、大規模なコードベースの保守・改善、そしてプルリクエストの品質保証において、GPT-5 CodexをCLI、Cloud、またはIDE拡張として利用シーンに合わせて適切に選択することで、開発ワークフローに最大限の価値をもたらすことが可能です。