概要
https://kaminashi-developer.hatenablog.jp/entry/2025/09/11/faster-with-ai-spec-change
詳細内容
## 仕様を変えて速くする —— パフォーマンス改善とAIによる“先回り”検証
https://kaminashi-developer.hatenablog.jp/entry/2025/09/11/faster-with-ai-spec-change
AIを活用した仮実装が、ウェブアプリケーションの仕様変更における技術的課題の早期発見を可能にし、パフォーマンス改善と開発の手戻り削減に貢献した。
**Content Type**: ⚙️ Tools
**Scores**: Signal:4/5 | Depth:4/5 | Unique:4/5 | Practical:5/5 | Anti-Hype:5/5
**Main Journal**: 88/100 | **Annex Potential**: 87/100 | **Overall**: 88/100
**Topics**: [[AIを活用したプロトタイピング, 仕様検討, パフォーマンス改善, フロントエンド開発, 開発生産性向上]]
カミナシの「承認一覧画面」は、全件データ取得による初期表示の遅延が深刻なパフォーマンス問題でした。技術的な改善が限界に達し、「全件取得」から「期間指定取得」への仕様変更が検討されました。初期のUI設計案は多段構造で複雑であり、実装上の潜在的なリスクが懸念されていましたが、具体的な問題点が不明確でした。
そこで、開発チームはAIにUIコンポーネントの仮実装を依頼。これにより、親・子・孫コンポーネント間の複雑なstate受け渡しや、Ant DesignのRangePickerがカレンダーパネル単独表示APIを持たないというライブラリの制約が、実装前に明確になりました。
AIが生成したコードに基づく具体的な問題点の共有は、PMやデザイナーとの議論を深め、「実装が難しそう」という曖昧な懸念を「具体的にここが複雑になる」という明確な課題へと転換させました。この「先回り検証」によって、多段UIを廃しAnt Designコンポーネントをそのまま活用する、よりシンプルで実現性の高い仕様へ迅速に見直すことができました。
結果として、表示速度は最大26.7倍に改善され、エンドポイントのレイテンシも大幅に低下。AIによる仕様検討段階でのプロトタイピングは、開発手戻りを削減し、職能横断での認識合わせを加速させ、最終的な開発期間短縮と顧客体験向上に大きく貢献しました。これは、AIを単なるコード生成ツールとしてではなく、仕様の技術的妥当性を早期に検証する「思考のパートナー」として活用する好事例です。