概要
https://qiita.com/ny7760/items/ae4143b40cc1d594855b
詳細内容
## o3を再現しようとしてみる
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OpenAI APIおよびAzure OpenAI APIを用いて、ChatGPTの「o3(GPT-5 Thinking)」が持つ推論と自律的なツール利用、そのプロセス可視化をカスタムアプリケーションで再現する具体的な実装方法を解説します。
**Content Type**: 📖 Tutorial & Guide
**Scores**: Signal:4/5 | Depth:4/5 | Unique:3/5 | Practical:5/5 | Anti-Hype:4/5
**Main Journal**: 85/100 | **Annex Potential**: 79/100 | **Overall**: 80/100
**Topics**: [[OpenAI API, Azure OpenAI Service, LLMエージェント, ツール利用, ストリーミング処理]]
この記事は、ChatGPTの「o3」(GPT-5 Thinking)が提供する高度な推論とツール活用能力を、開発者がOpenAI APIやAzure OpenAI APIを通じて自作アプリケーションで実現するための具体的な手順を詳解しています。なぜこれが重要かというと、ChatGPTが裏側で行っている「思考プロセス」や「ツール利用」は、API経由では明示的な指定がなければ再現されず、そのままではLLMの真価を引き出しにくいからです。
筆者は、ChatGPTのo3が持つ「推論の実行」「自律的なツール利用」「推論プロセスの出力」という3つの要件をAPIで満たす方法に焦点を当てています。OpenAI APIでは、`reasoning.effort`や`reasoning.summary`、`tools`といったパラメータを使って推論深度やツール(Code Interpreter, Web searchなど)を指示し、さらに`stream=True`でストリーミング処理を行い、各種イベントをハンドリングすることで推論プロセスをリアルタイムに可視化できることをコード例とともに示しています。
特に、Webアプリケーションエンジニアにとって重要なのは、実際の運用における障壁とその解決策です。記事では、トークン利用量の確認方法や、高負荷なWeb Searchツール利用時に発生しがちなAPIのレート制限への対策(ティアアップ)についても言及しています。
さらに、業務で利用されることの多いAzure OpenAI Service(AOAI)における実装についても解説。AOAIでは組み込みのWeb Searchツールが利用できない制約があるため、TavilyのようなMCP(Multi-Cloud Proxy)ツールやFunction callingを組み合わせることで、同等の機能を再現する手法が紹介されています。これにより、企業内のRAGアプリケーションなどで、セキュリティ懸念のない範囲で外部情報検索やコード実行といった高度なエージェント機能を組み込む道が開かれます。
単なる「APIの使い方」に留まらず、ChatGPTの先進的な挙動を自前で再現するために必要なAPIパラメータ、ストリーミング処理、そしてプラットフォームごとの制約と対策まで踏み込んでいるため、エージェントベースのLLMアプリケーション開発を目指すエンジニアにとって、実践的かつ価値の高い情報が詰まっています。この知見は、ただAIを呼び出すだけでなく、その「思考」を制御し、よりインテリジェントなアプリケーションを構築する上で不可欠です。