掲載済み (2025-09-06号)
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## 近ごろはやりの「バイブコーディング」、概要を理解し課題や注意点も把握しておこう

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https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2509/04/news003.html

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## 近ごろはやりの「バイブコーディング」、概要を理解し課題や注意点も把握しておこう https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2509/04/news003.html バイブコーディングは、生成AIに自然言語で指示を与え、非エンジニアによる業務効率化やプログラマーの高度な開発への集中を促す新たな開発スタイルですが、その導入にはセキュリティ、メンテナンス性、および「作り直し」への偏りといった課題への慎重な検討が不可欠です。 **Content Type**: ⚙️ Tools **Scores**: Signal:4/5 | Depth:3/5 | Unique:3/5 | Practical:4/5 | Anti-Hype:4/5 **Main Journal**: 71/100 | **Annex Potential**: 70/100 | **Overall**: 72/100 **Topics**: [[バイブコーディング, 生成AI活用, 開発スタイル変革, コード品質と保守性, AIセキュリティ]] 近年注目を集める「バイブコーディング」は、生成AIに自然言語で指示を与えることでプログラムやアプリケーションを開発するスタイルです。これは、ChatGPTのような生成AIの普及によりプログラミングの敷居が劇的に下がったことを背景に登場しました。従来のプログラミング言語を用いた厳密なコーディングとは異なり、開発者が会話形式でAIに要望を伝え、コードを生成・修正していくアプローチで、ローコードやノーコード開発と比較しても、より自由度の高い開発が可能になります。 Webアプリケーションエンジニアの視点で見ると、このスタイルはルーチンワークの削減に大きなメリットをもたらします。CRUD処理のような定型的なコード生成をAIに任せることで、エンジニアはシステム設計や複雑なビジネスロジックの実装といった高度な業務に集中できます。また、簡易的な業務ツールやWebアプリケーションのプロトタイプを短期間で作成できるため、PoCや小規模な改善活動のスピードアップに貢献します。既存コードの整理や改善にも活用でき、開発速度と保守性の向上、さらには品質改善が期待できます。 しかし、その導入には慎重な検討が不可欠です。最大の課題は「信頼性とセキュリティ」です。機密情報をAIに安易に入力すれば、外部サーバーへのデータ保存リスクや、サービス提供者による暗号化・アクセス制御の不備による情報漏洩の危険性があります。信頼できるプラットフォーム選定と厳格な情報取り扱いルールの策定が必須です。 次に、「メンテナンス性とテスト性」の問題です。AIが生成するコードは独特な記述になりがちで、他のエンジニアが後から読み解き、修正するコストが増大する可能性があります。十分なテストが行われないまま運用されれば、不具合が潜在化し、結果的に長期的な修正費用が膨らむリスクもはらんでいます。コードレビューやテスト体制の確立が重要になります。 さらに、「作り直し」への誘発リスクも無視できません。短期間で新作を生み出すバイブコーディングの特性は、「直すより新しく作った方が早い」という発想を生みがちです。これが本番環境のシステムに適用されると、既存資産やノウハウの喪失、技術的負債の蓄積につながり、短期的なスピードと引き換えに中長期的な安定性やコスト効率を損なうことになります。 したがって、バイブコーディングを効果的に活用するには、そのスピード感を活かす用途(アイデア出し、プロトタイピング)と、堅牢性・信頼性が求められる本番システムでの従来型開発手法とのバランスを見極め、適切なガバナンスと開発プロセスを設計することが、Webアプリケーションエンジニアにとっての重要な課題となるでしょう。