掲載済み (2025-08-30号)
#001 407文字 • 3分

## What could have been.

掲載情報

2025年8月30日土曜日号 メインジャーナル掲載

概要

https://coppolaemilio.com/entries/what-could-have-been/

詳細内容

## What could have been. https://coppolaemilio.com/entries/what-could-have-been/ 筆者は、テクノロジー業界が既存ソフトウェアの根本的な改善を怠り、不要なAI機能の導入に資源を浪費している現状を厳しく批判し、その機会損失を問いかける。 **Content Type**: 💭 Opinion & Commentary **Scores**: Signal:4/5 | Depth:3/5 | Unique:4/5 | Practical:3/5 | Anti-Hype:5/5 **Main Journal**: 77/100 | **Annex Potential**: 79/100 | **Overall**: 76/100 **Topics**: [[AI Hype, ソフトウェア品質, 開発者の生産性, リソース配分, オープンソース]] テクノロジー業界がAI機能の追加に莫大な資源を投じる中、筆者はその現状に異を唱え、既存ソフトウェアの根本的な改善と基幹インフラの強化こそが真の投資先であると強く主張します。AIの導入が至る所で進められる一方で、多くの既存ソフトウェアはユーザーが望まない、あるいは必要としない機能によってかえって使いづらくなり、日々私たちが頼るOS、ブラウザ、そして不可欠なインフラは放置されています。 Gamescomの会議アプリにおけるAIミーティング生成機能の失敗例が示すように、AIが「多くのもの」を生み出しても、「価値」を生むとは限りません。会議アプリのメッセージ機能が頻繁に機能せず、スケジューリングも不安定であるにもかかわらず、なぜ基本的な信頼性よりもAI機能の追加が優先されるのか、という筆者の疑問は、多くの開発者の共感を呼ぶでしょう。 この投資の優先順位の歪みは、短期的な利益の追求と「AIの約束」に惑わされた結果であり、長期的な企業価値を損なっていると指摘します。「良い製品を作れば利益は後からついてくる」というシンプルな真理が見失われ、安易なAI導入が製品を「糞化」させる「enshittification」の病を蔓延させているのです。 もし巨大テック企業がAIの夢に費やす資源のごく一部でも、BlenderやGodotのようなオープンソースプロジェクトに投資されていたなら、現実の、喫緊の課題を解決し、毎日使うソフトウェアを改善し、私たちの生活を支える基幹インフラを構築するために、100年以上もの開発資金を確保できたはずです。この機会損失は取り戻せず、エンジニアとしては、真に価値あるものへの投資を見極める重要性を改めて認識させられる、示唆に富む洞察です。