概要
https://zenn.dev/kmizu/articles/8c12550ad3e1d3
詳細内容
## GPT-5の凄い能力~論文を読ませて応用課題が解けるようになった……と思ったけど、Gemini 2.5 Proも解けるようになっていた件
https://zenn.dev/kmizu/articles/8c12550ad3e1d3
GPT-5が論文読解からの応用問題解決能力を示したが、最新のGemini 2.5 Proも同様に難問を解き、LLMが単なる知識再現を超えた深い理解と応用力を獲得しつつあることを実証した。
**Content Type**: 🔬 Research & Analysis
**Scores**: Signal:4/5 | Depth:5/5 | Unique:5/5 | Practical:4/5 | Anti-Hype:5/5
**Main Journal**: 93/100 | **Annex Potential**: 94/100 | **Overall**: 92/100
**Topics**: [[LLM能力評価, 構文解析文法, 応用推論, GPT-5, Gemini 2.5 Pro]]
この記事は、LLMの真の理解力と応用能力を評価するため、著者が考案した独自のベンチマーク実験について詳述しています。既存のベンチマークがLLMにすでに参照されている可能性があるという懸念から、著者は自身の専門領域であるPEG(Parsing Expression Grammar)の拡張であるMacro PEGに関する未発表資料と、そこから導かれる非自明な応用課題(属性・テキスト要素なしのXMLサブセットをMacro PEGで表現する問題)をテストに採用しました。
この問題は、パラメータを通じて「その場でパーサーを組み立てる」という高度なトリックを必要とし、従来のLLMではしばしば「ごまかし」によって失敗していました。当初、GPT-5はこの難題を完璧にクリアし、論文の内容を深く理解し、そこから応用的な推論を行う能力があることを示しました。特に、Macro PEGの回文表現と同じテクニックをXMLサブセット問題に応用できた点は、LLMが単なる知識の再現を超え、概念を「応用」できるレベルに達したことを強く示唆しています。これは、従来のAIが「それらしく解説する」に留まっていた限界を突破した画期的な成果でした。
しかし、記事執筆中に最新のGemini 2.5 Proでも同様にこの問題が解けることが判明し、GPT-5だけでなく、他の主要なLLMもこのレベルの応用推論能力に到達していることが明らかになりました。これは、ウェブアプリケーションエンジニアにとって非常に重要な意味を持ちます。LLMが単にコードを生成するだけでなく、**抽象的な仕様や複雑な形式言語の設計原理を読み解き、そこから新たな構文規則やアーキテクチャパターンを自律的に導き出す能力を持つ**ことを示唆しています。例えば、社内DSLの自動生成、既存システムのリファクタリングにおける複雑なパターン認識、あるいは新しいAPIやプロトコルの定義からコードを生成する高度なエージェントの開発など、より洗練されたエージェント駆動型開発において、その価値が飛躍的に高まるでしょう。特定のドメイン知識に基づく複雑な推論をAIに任せられるようになる未来が、急速に現実味を帯びています。この進化は、エンジニアの生産性を次のレベルへと押し上げる可能性を秘めています。