掲載済み (2025-08-02号)
#143 584文字 • 3分

## Vibe code is legacy code

掲載情報

概要

https://blog.val.town/vibe-code

詳細内容

## Vibe code is legacy code https://blog.val.town/vibe-code Vibeコーディングはプロトタイピングには有効だが、維持管理が必要なプロジェクトでは理解不能なレガシーコードとなり、深い技術的負債を招くと警鐘を鳴らす。 **Content Type**: 💭 Opinion & Commentary **Scores**: Signal:4/5 | Depth:4/5 | Unique:5/5 | Practical:5/5 | Anti-Hype:5/5 **Main Journal**: 93/100 | **Annex Potential**: 94/100 | **Overall**: 92/100 **Topics**: [[Vibeコーディング, 技術的負債, AI支援プログラミング, プロトタイピング, コード維持管理]] この記事は、「Vibeコーディング」というAI支援プログラミングの手法を、その本質において「レガシーコード」であると看破し、エンジニアにとってその実践が持つ意味合いを深く考察しています。Vibeコーディングとは、Andrej Karpathy氏が提唱した「コードの存在さえ忘れる」ようなAIに任せきりの開発スタイルを指しますが、筆者はこれを「誰にも理解できないコード」、すなわち技術的負債そのものと定義します。 なぜこれが問題なのか? 筆者は、プログラミングが単なるコードの行数を生み出す行為ではなく、「理論構築」であると強調します。理解できないコードはデバッグや新機能追加を困難にし、新たなバグを生む温床となります。AIがコードを高速で出力すればするほど、技術的負債も同様に急速に蓄積されるのです。 しかし、Vibeコーディングが常に悪であるわけではありません。筆者は、短期的なプロトタイプや使い捨てのプロジェクトには最適であると指摘します。実際に、自身も小さなアプリをVibeコーディングで開発し、その速度と楽しさを実感したと言います。これは、維持管理の必要がないコードであれば、レガシーコードにはならないという明快な線引きです。 問題は、プログラミングの知識がない人が、維持管理を前提とした大規模プロジェクトでVibeコーディングを用いる場合です。これは、子供にクレジットカードを与え、負債の概念を教えずに自由に買い物をさせるようなものだと例えられます。初期の興奮の後には、壊れたコードや混沌としたファイル構造という「請求書」が届き、その解決策はAIに修正を依頼するという、負債を別の負債で返すような悪循環に陥る、と警告します。 2025年以降に本格的なプロジェクトでAIを活用するには、Andrej Karpathy氏が言うように、AIを「過度に意欲的だが、しばしば嘘をつき、センスに欠けるジュニアインターン」として扱い、「厳しく監視し、遅く、防衛的で、注意深く、常に学習の機会を捉え、委任しない」姿勢が重要であると説きます。つまり、人間がコードを理解し、主体的に「理論構築」を行うことの重要性は、AI時代においても変わらないというメッセージです。Val TownのTownieのようなAIアシスタントも、Vibeコーディングに使える一方で、重要なプロジェクトでは「厳しい監視」のもとで使うべきであると、その使い分けを提示しています。最終的に、この記事は、AIの進化が続く中でも、エンジニアがコードを読み、理解し、維持する能力、そして「ゼロからうまく書かれたコードベースを構築する」能力が、複雑なソフトウェア開発において依然として不可欠であることを強く訴えかけています。