概要
https://www.m3tech.blog/entry/2025/07/27/110745
詳細内容
## チームでDevinを導入して2ヶ月経ったので振り返ってみた
https://www.m3tech.blog/entry/2025/07/27/110745
エムスリーのデジスマチームは、Devinを2ヶ月間導入し、開発生産性向上を実現した具体的な成果と、その得意・不得意な領域を詳細に報告します。
**Content Type**: ⚙️ Tools
**Scores**: Signal:4/5 | Depth:4/5 | Unique:4/5 | Practical:5/5 | Anti-Hype:4/5
**Main Journal**: 86/100 | **Annex Potential**: 84/100 | **Overall**: 84/100
**Topics**: [[AIエージェント, 開発生産性, Devin, DevOps, インフラ自動化]]
エムスリーのデジスマチームは、チーフAIオフィサー就任による全社的なAI活用推進を背景に、GitHubへの移行が完了した環境でAIエージェント「Devin」を2ヶ月間先行導入し、その具体的な効果と課題を詳細に報告しています。この導入期間中、GitHubのプルリクエストマージ総数が増加し、特に新規プロジェクトではDevinがトップコントリビューターとなるなど、チーム全体の開発生産性が明確に向上したことがデータで示されました。
Devinの最大の特徴は、エンジニアが他のタスクやミーティングに集中している間も、リモートで独立して作業を進められる点にあります。これにより、複数の業務を並行処理できるようになり、開発フローのボトルネックを解消します。具体的な得意領域としては、Step Functions、Lambda、Terraformを用いたAuroraからBigQueryへの日次データ連携パイプライン構築のようなインフラ関連の定型作業、複数のマイクロサービスにまたがるライブラリバージョンアップ、そして開発環境の夜間停止によるコスト削減といった、後回しになりがちな技術的負債解消タスクが挙げられます。これらのタスクをDevinに任せることで、チームのリソースをより戦略的かつ創造的なコア業務に振り向け、全体の生産性を底上げすることが可能になります。
一方で、Devinの活用にはいくつかの制約も指摘されています。Devinのマシンから社内AWSなどの閉じた環境への接続にはセキュリティ上の「穴あけ」が必要となり、外部サービス連携もまだ限定的です。また、データの保持期間が不明確なため、個人情報を含む実データを用いた調査系タスクには不向きとされます。さらに、ローカルで実行されるAIエージェントと比較してフィードバック回数が少なくなるため、複雑なビジネスロジックの実装では期待と異なるアウトプットが生じやすく、フィードバックが増えることでDevin導入のメリットが薄れる可能性も示唆されました。本記事は、DevinのようなリモートAIエージェントの強みを最大限に活かすには、その自律性と並行処理能力を活かし、優先度が低くとも確実な定型タスクに集中的に適用することが、開発チームの効率と戦略的なリソース配分を両立させる鍵であると結論づけています。