概要
https://workos.com/blog/vibe-coding-a-complex-combobox-component
詳細内容
## Vibecoding a complex combobox component
https://workos.com/blog/vibe-coding-a-complex-combobox-component
WorkOSのエンジニアが、複雑なUIコンポーネント開発におけるLLMの真価を検証し、初期の足がかりには極めて有効な一方で、詳細なロジックやアクセシビリティの課題解決には多大な労力を要することを明らかにした。
**Content Type**: ⚙️ Tools
**Scores**: Signal:4/5 | Depth:4/5 | Unique:4/5 | Practical:4/5 | Anti-Hype:5/5
**Main Journal**: 82/100 | **Annex Potential**: 83/100 | **Overall**: 84/100
**Topics**: [[LLMを活用したコード生成, UIコンポーネント開発, フロントエンドエンジニアリング, アクセシビリティ(A11y), 開発ワークフロー効率化]]
WorkOSのエンジニアは、複雑なツリー型コンボボックスコンポーネント(検索機能、折りたたみ可能な親ノード、キーボード/スクリーンリーダー対応、デザインシステム準拠など)をLLMに開発させる実験を行いました。Claude Sonnet 4、Gemini 2.5 Pro、o3をCursor経由で使用し、LLMが非自明なUIコンポーネントをどこまで構築できるかを検証しました。
結果として、LLMはコンポーネントの骨格、ボイラープレートコード、API設計の生成において非常に優れていることが判明しました。特にo3は、開発者が意図するようなRadixベースのコンポジションモデルに近いAPIを一度で生成し、初期開発時間を大幅に短縮できる可能性を示しました。これは、コンポーネント開発の「最初の80%」を迅速に進める上で大きな生産性向上をもたらします。
しかし、「最後の20%」に当たる複雑な振る舞いやアクセシビリティ、インタラクションの細部において、LLMは著しく困難に直面しました。具体的には、Radix Collapsibleとのイベント競合、スクリーンリーダーのためのARIA属性の誤用、キーボードナビゲーションの破綻、フィルタリングロジックの欠陥、フォーカス管理の問題などが多発しました。これらの問題に対する反復的なプロンプトでの修正は、多くの場合さらなるバグやデグレを引き起こし、最終的には手動でのコード修正が最も効率的であるという結論に至りました。
この実験は、LLMが魔法のツールではないことを明確に示しています。LLMはパターン生成に長けているため、既存のデザインシステムを活用した反復的なUIコンポーネントの初期構築には非常に強力です。しかし、状態管理が複雑で、細やかなインタラクションやアクセシビリティ対応が求められる非自明なUIにおいては、エンジニアによる深い理解と手動での調整が不可欠です。LLMを効果的に活用するには、明確なプロンプト、テスト駆動開発、コードコメントによる文脈提供が鍵となり、適切なモデル選択も重要であることが示唆されました。これは、AIコード生成が単なる「ワンクリック」ソリューションではなく、開発ワークフローにどのように組み込むべきかを考える上で重要な示唆を与えます。