掲載済み (2025-08-02号)
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## AI時代に「技術力」は再定義されるのか。まつもとゆきひろが明かす不変の三要素

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https://type.jp/et/feature/28898/

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## AI時代に「技術力」は再定義されるのか。まつもとゆきひろが明かす不変の三要素 https://type.jp/et/feature/28898/ Ruby開発者のまつもとゆきひろは、AI時代においてプログラミングスキルは再定義されるが、「問題を解決する能力」という技術の本質は不変であり、その中核を成す三つの要素を提示します。 **Content Type**: 💭 Opinion & Commentary **Scores**: Signal:5/5 | Depth:4/5 | Unique:4/5 | Practical:4/5 | Anti-Hype:5/5 **Main Journal**: 87/100 | **Annex Potential**: 87/100 | **Overall**: 88/100 **Topics**: [[AIプログラミング, エンジニアのキャリア, 技術力の本質, AIの限界, 若手育成]] Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏は、AIがプログラミングを担う時代におけるエンジニアの「技術力」について考察しています。現状のAIは専門学校卒レベルのコーディング能力を持ち、アルゴリズムの修正やコード解析は得意な一方で、創造的で文脈を深く理解するようなタスク、例えば複雑なリファクタリング(軽量Ruby処理系「mruby」開発での経験談)は苦手だと指摘。AIは定型的な処理に強く、「テトリスを作って」のような単純な依頼はこなせますが、ビジネスロジックや要件が絡む「新しいものを作る」場面では、エンジニアが明確な設計意図を指示する必要があり、結局自分で書ける力がなければAIを使いこなせないと強調します。 特に若手エンジニアの成長機会については懸念を表明。AIがコードを生成することで、「全体設計をどう組み立てるか」といった本質的な思考を経験する機会が減り、技術力育成の難易度が上がると警鐘を鳴らしています。 まつもと氏は、AI時代でも変わらない「真の技術力」とは「技術を用いて問題を解決する能力」であると定義。この能力は「問いを立てる能力」「数ある選択肢から最善を選び、決断する能力」「責任を取る能力」という三つの要素に細分化できると述べます。AIには人間の欲望や価値判断、倫理観が欠けており、最終的な課題設定、意思決定、そして問題発生時の責任は常に人間が担うべきだという強いメッセージです。 こうした本質的な技術力を磨くには、「とにかくソフトウエアをたくさん作る」経験が不可欠だとしています。失敗を重ね、さまざまなツールを使い、数え切れない問題を解決するプロセスを通じて得られる知見こそが、技術力の揺るぎない土台となると力説。現代のエンジニアはインターネットやAIといった豊富なリソースを活用できる恵まれた環境にあるため、AIを「おじいちゃん世代にはできなかったことをやる」ためのツールとして積極的に使いこなし、多くの問題を解決していってほしいとエールを送っています。